リクエスト株式会社|研究と実践の中核
組織行動科学®の現在地Organizational-Andragogy®
980社・延べ33.8万人の働く人のデータを基盤に。
組織で働く成人の研究と教育開発。何を大切にし、どの事実を見て、どう判断するか。その考え方を、仕事と相手の反応から育てることを中核に置きます。学術知見と実践の記録を照らし、本人の学びを支える仕事・役割・支援を設計します。教える側・任せる側も、自分の見方と関わりを見直します。
組織行動科学®の研究基盤
理論・学術研究
何を説明するか。どの条件で使えるか。
この五つは、当社が参照する研究基盤の一部です。
当社が蓄積し、確かめる
働く人のデータと実践
980社33.8万人
企業研修・実務支援などの累積
人数は延べ人数
本人の判断・行動、相手の応答、仕事の経過と成果、次の仕事での実行を確かめる。
研究基盤と検証の考え方を見る学術知見と実践の記録を照らす、当社の体系
組織行動科学®
Organizational-
組織で働く成人の研究と教育開発
組織行動科学®を共通の基盤とする三つの実践
Organizational-Andragogy®で、当社が大切にする学び
仕事の目的・見方・判断を、
経験から育てる。
誰の、どのような状態をよくしたいか。大切にすることによって、見る事実も、選ぶ行動も変わります。仕事で得た反応に照らし、方法とともに、目的や捉え方も確かめ直す。その経験を、本人の次の判断へつなぎます。
例 / 依頼への返答
考え方が、見ることと選ぶことに表れる。
目的誰の何をよくしたいか
返答を使う相手が、
次の判断を進められる。
見方どの事実を確かめるか
相手が決めたいことと、
足りない情報を見る。
判断何を選び、試すか
分かっていることと、
確認が必要な範囲を返す。
相手の反応・仕事の変化
相手は何を決められたか。何が進み、どこに新しい必要が見えたか。
次の仕事で、考え方も確かめ直す。相手の工夫や新しい必要から、何を届ける仕事かも問い直す。
AIと働くときも、この学びを。
何のために使い、何を根拠に選ぶか。相手への役立ちと、自分に残る判断の力を確かめ、条件の違う次の仕事でも使い直します。
理論的な背景をたどる
五つの理論・研究領域を、
関係の図から捉える。
考え方を仕事の経験から育てるために、何を観察し、どんな支援を用意するか。広い研究領域、学習過程のモデル、動機づけの理論、実行への見込みを扱う概念。それぞれの成り立ちと説明する対象を区別し、仕事の条件に照らして組み合わせます。
図と、仕事で確かめる問いから、気になる理論・研究領域を選べます。詳しい背景・研究知見・原典は、各図の下から開けます。
研究領域(行動分析に着目)
行動科学
Skinner(1953)の行動分析を中心に
何が起きた場面で、どの行動が生じ、その後に何が返ったか。行動と環境の関係から、続く行動を捉えます。
相談や試行の後、周囲はどう応じたか。その応答の後、本人の取り組みや次の相談はどう変わったか。
背景・研究知見・当社での活用を詳しく読む
説明する対象
観察できる行動と、その行動が起きる状況・結果との関係を扱います。広義の行動科学には、認知、感情、動機、社会関係を扱う研究も含まれます。
背景と位置づけ
行動科学は、単一の創始者や一つの学説で定義されるものではありません。NIHも、健康に関わる行動・社会科学研究を複数分野からなる領域と定義しています。Skinnerの行動分析は、その広がりの中で行動と環境の機能的な関係に着目する立場です。1953年の原典では、行動が結果を生み、その結果によって後の行動の起こりやすさが変わる関係を、実験研究を踏まえて説明しています。
中心となる概念
- 状況・行動・結果
- 行動が起きる機会や手がかり、実際の行動、その後の出来事を具体化します。行動の回数だけでなく、どんな条件で起きたかを見ます。
- 強化
- ある結果が行動に伴うことで、その後の行動が起きやすくなることです。褒め言葉や金銭が強化として働いたかは、実際の行動の変化で確かめます。
- 随伴性
- どの行動をしたとき、どんな結果が生じるかという関係です。単に後から起きた出来事と、行動に応じて生じる結果を区別します。
研究の方法・知見・限界
Stajkovic・Luthans(2003)職場の行動マネジメント
組織の仕事を対象とする72研究を統合したメタ分析。金銭、フィードバック、社会的承認と、その組み合わせを検討しています。
平均的な課題成績の改善が報告され、三つを組み合わせた場合に最も大きい効果が見られました。研究間の効果の違いも確認されています。
全研究が同じ仕事・方法・研究デザインではありません。平均的な結果を、あらゆる仕事に共通する効果や改善率として適用できません。
当社は、例えば早めの相談に誰がどう応じ、その後の仕事と次の相談に何が起きたかを確かめる使い方を提案します。相談回数だけを成果にせず、助言の内容と時機、本人の経験、仕事への役立ちを見て、応じる側の関わりも見直します。
使う際に区別すること
行動科学全体を行動分析や報酬の操作に限定しません。行動の増減だけから、本人の納得、経験から得た理解、別の仕事への応用まで確認できたとは扱いません。
原典・研究資料
学習過程のモデル
経験学習
Kolb(1984)/Dewey・Lewin・Piagetを背景に
経験したことを振り返り、次にも確かめられる考えを取り出す。その考えを試し、新しい経験から学び直す過程を捉えます。
前回は何を見て選び、何が起きたか。そこから得た考えを、条件の違う次の仕事でどう試すか。
背景・研究知見・当社での活用を詳しく読む
説明する対象
作業を経験した回数ではなく、経験をどう受け取り、理解をつくり、次の実行へ移すかを扱います。成人だけに限定されるモデルではありません。
背景と位置づけ
Kolbらは、経験を把握する働きと、それを変容させる働きの組み合わせから知識がつくられると考えました。具体的な経験と抽象的な概念化、内省的な観察と能動的な実験が関係します。振り返りは出来事を思い出すだけでなく、結果を説明する考えをつくり、別の状況で試せる形にするために位置づけられています。これは学習過程の理論モデルであり、経験さえ積めば学習が進むという主張ではありません。
中心となる概念
- 具体的経験
- 実際に取り組んだ場面で、何を行い、何を見聞きし、何が起きたかを捉えます。
- 内省的観察
- 自分の選択と結果を振り返り、予想との差や、別の見方から説明できることを考えます。
- 抽象的概念化
- 一件だけの感想から、結果を説明する考えや、ほかの場面でも確かめられる仮説を取り出します。
- 能動的実験
- 得た考えを次の行動で試します。新たに起きたことが、理解を確かめ直す経験になります。
研究の方法・知見・限界
Tannenbaum・Cerasoli(2013)経験後の振り返り
振り返り・話し合い・目標設定を組み込むデブリーフィングの46標本、計2,136人を統合したメタ分析。個人・チーム、実場面・模擬場面を含みます。
対照条件と比べて平均的に高い遂行成績が報告されました。参加者、振り返る焦点・目的、測定水準を合わせることが重視されています。
これは振り返り介入の研究で、Kolbの四過程や順序全体を検証したものではありません。どんな振り返りでも同じ結果になるとはいえません。
当社は、一件で何を見て選び、何が起きたかを確かめ、条件の異なる次の仕事で試すことを決める使い方を提案します。本人の振り返りとともに、自分で選ぶ機会、結果を知る機会、支援者が判断を引き取っていないかも見直します。
使う際に区別すること
経験学習を、本人を固定した学習スタイルに分類する方法として使いません。行動が増えたことや成人の経験を尊重したことと、理解をつくり次の仕事で確かめたことは分けて見ます。
原典・研究資料
成人の学習を扱う研究領域
成人学習
成人教育の蓄積/Knowles(1973)のアンドラゴジー
本人が既に知っていること、学ぶ目的、仕事や生活で担う役割と、学びを使える機会を合わせて捉えます。
本人が既に知っていることと、今の仕事で必要なことはどうつながるか。本人が学ぶ内容や進め方を選び、使ってみる機会があるか。
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説明する対象
成人が何を学び、どのような資源・機会・支援のもとで使うかを扱います。一人の提唱者による単一の理論ではありません。
背景と位置づけ
Knowlesの1973年の整理は、自己概念の変化、経験の役割、学ぶ準備、学習への方向づけという四つの仮定を置いています。本人が学びを方向づけ、経験を資源とし、役割上の課題に必要なことを学んで適用する支援を考える枠組みです。Knowles自身も、学習者としての成人と子どもを明確に二分する説明ではなく、教える側が置く仮定の違いを述べているとしています。
中心となる概念
- 既有知識と経験
- 既に知っていることは新しい理解の手がかりになります。年齢や経験年数だけで判断せず、今回の課題に関する知識を確かめます。
- 目的と自己方向づけ
- 何を学ぶ必要があり、どう進めるかに本人が関わります。成人なら初めての課題でも支援なしで学べる、と決めません。
- 学びの転移
- 学んだことを実際の仕事で使うことです。使用機会、上司や同僚の支援、仕事上の制約も関わります。
研究の方法・知見・限界
Beier・Ackerman(2005)既有知識と新しい知識の獲得
19〜68歳の199人が、心血管疾患に関する情報と複写技術を学ぶ研究。実験室の映像提示と、自宅での自己学習を含みます。
既有知識と認知能力が、新しい知識の獲得を予測しました。
知識獲得の予測を扱った研究です。Knowlesの仮定群や職場支援の効果を検証したものではなく、職場で使えたことを直接測った研究でもありません。
米国国立アカデミーズ(2018)生涯にわたる学習
実験室・現場の認知研究を統合した報告書の第9章。学校教育後の学習と職場への転移を扱います。
本人の知識・動機・選択と、環境が提供する資源や機会を合わせて整理しています。職場への転移では周囲の支援も取り上げています。
2018年時点で、義務教育外の介入研究から強い結論を導くには限界があると明記しています。単一の介入実験ではありません。
当社は、本人が知っていること、仕事で必要なこと、試せる機会と支援を一緒に確かめる使い方を提案します。教えた直後の納得、知識の獲得、実務で使えたことを分け、教える側が用意する課題と支援を見直します。
使う際に区別すること
成人全員に同じ学び方を当てはめません。経験から理解をつくる過程や行動と結果の関係も関わりますが、それだけで成人の役割・目的・学習機会を説明し切りません。
原典・研究資料
- Knowles, M.(1973)The Adult Learner: A Neglected Species:印刷43〜48ページ(ERIC収蔵原著PDF) ↗
- Beier, M. E., & Ackerman, P. L.(2005)Age, Ability, and the Role of Prior Knowledge on the Acquisition of New Domain Knowledge(著者要旨) ↗
- National Academies of Sciences, Engineering, and Medicine(2018)How People Learn II:第9章 Learning Across the Life Span ↗
動機づけの理論
自己決定理論
Deci・Ryan/1970年代の内発的動機づけ研究から
意欲の強さだけでなく、なぜ取り組むか、その理由を本人がどう引き受けているかを捉えます。
この仕事の目的を、本人はどう受け止めているか。納得して選べる範囲、力を発揮できる条件、周囲に頼れる関係があるか。
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説明する対象
動機づけの質、外から求められた行動の内在化、学習や継続、心身の健やかさと、それを支える社会的環境。
背景と位置づけ
報酬や評価が、もともと関心のある活動への取り組みにどう関わるかを調べる実験から発展しました。人が成長し経験を取り込む働きと、その働きを支えたり妨げたりする環境を考えます。内発的動機づけだけを重視する理論ではなく、仕事の価値を本人が理解し引き受ける過程も扱います。
中心となる概念
- 自律性
- 自分の行為を自分でも納得して引き受けること。一人で行うことや放任とは異なり、本人が望んで他者を頼ることとも両立します。理由、基準、必要な指導を自律性を支える形で示します。
- 有能感
- 環境に働きかけて力を発揮し、技能を伸ばせるという有能さへの欲求と、その充足を扱います。特定の行動を遂行できる見込みである自己効力感とは近接しますが、理論上の役割が異なります。
- 関係性
- 他者とつながり、互いに大切にされていると感じること。単に人と接する回数ではありません。
- 内在化
- 外から求められた行動の価値を取り込む過程。義務感や圧力で動く場合と、自分にとっての意味を引き受ける場合を区別します。
研究の方法・知見・限界
Ryan & Deci(2000)理論と研究の整理
実験室での研究と、教育・健康などの現場研究を整理した理論的レビュー。
能力についての情報や周囲の関わりが、三つの欲求と動機づけにどう関係するかを、研究をもとに論じています。
単一の介入試験ではありません。個別研究の対象と方法を見て、因果効果と関連を読み分けます。
Hagger & Star(2026)職場研究のメタ分析
192論文の相関データを統合。157編は横断、35編は縦断研究です。
職場で受ける支援、欲求の充足、自律的な動機づけ、仕事への関与や満足などに、理論に沿う関連が見られました。
仕事や対象者などで関連は異なります。統計モデルの間接効果も、支援を変えたときの因果効果を確定しません。
当社では、一件の仕事について「目的をどう受け止めたか」「何を選べるか」「必要な支援を得られるか」を確かめます。本人の反応から、私たちの説明、任せる範囲、相談への応じ方を見直すために使います。
使う際に区別すること
権限を増やすだけで納得や実行を保証できません。有能さへの欲求の充足と実際の技能も分けて確かめます。これらの研究は、当社の複数理論を組み合わせた方法全体の効果検証ではありません。
原典・研究資料
- Ryan, R. M., & Deci, E. L.(2000)Self-Determination Theory and the Facilitation of Intrinsic Motivation, Social Development, and Well-Being|公式サイト・原論文全文 ↗
- Deci, E. L., & Ryan, R. M.(2008)Facilitating Optimal Motivation and Psychological Well-Being Across Life’s Domains|公式サイト・原論文全文 ↗
- Van den Broeckほか(2016)A Review of Self-Determination Theory’s Basic Psychological Needs at Work|有能さへの欲求の定義 ↗
- Hagger, M. S., & Star, K. M.(2026)Self-Determination Theory and Workplace Outcomes: A Meta-Analysis|原論文全文 ↗
行動の遂行を見込む概念
自己効力感
Bandura(1977)/社会的学習理論の文脈
ある状況で、必要な行動を自分が遂行できるという見込み。何を始め、どれほど努力し、困難にどう向き合うかを考える手がかりです。
どの条件で、どの判断・行動ならできそうか。その見込みと、実際にできた範囲はどう違うか。
背景・研究知見・当社での活用を詳しく読む
説明する対象
特定の課題への遂行可能性の判断と、行動への着手、努力、継続との関係。
背景と位置づけ
原論文は、恐怖や回避への治療で、本人の実行体験や他者の観察が行動変化にどうつながるかを扱いました。行動の変化を外からの刺激だけで説明せず、経験から本人が何を読み取り、自分の遂行をどう見込むかに注目します。
中心となる概念
- 効力予期と結果予期
- 「自分がその行動をできる」と「その行動が望む結果を生む」は別の判断です。方法が有効だと思っても、自分には実行できないと見込む場合があります。
- 四つの情報源
- 自らできた達成経験、他者の実行を見る代理経験、言語的説得、生理的状態。本人が情報をどう解釈するかを含み、四つを順番に与える手順ではありません。
- 難しさ・広がり・確信の強さ
- どの難しさまでできると見込むか、別の状況へどこまで見込みが及ぶか、どれほど確かだと思うかを分けます。「自信がある」の一言で済ませません。
- 有能感との違い
- 自己決定理論は有能さへの欲求とその充足を、自己効力感はある条件で行動を遂行できるという判断を扱います。重なる経験を含みますが、同義語として置き換えません。
研究の方法・知見・限界
Bandura(1977)理論の提案と治療研究の分析
ヘビへの恐怖を対象に、本人が実行する治療、他者の実行を観察する治療、治療を受けない条件などを比較。治療の前後に課題別の見込みと遂行を測定しました。
実行体験を含む条件で、観察のみの条件より自己効力感が高まりました。治療後の自己効力感と、その後の課題の遂行にも対応が見られました。
治療条件の比較と、自己効力感・遂行の関連は別の根拠です。職場のあらゆる仕事で、自信を高めれば成果が上がると示した研究ではありません。
当社では、次に取り組む一件について、本人ができそうだと見込む範囲と、実際にできた範囲を照らします。使った資料や助言、途中で止まった判断も確認し、次の課題の難しさや私たちが用意する支援を見直します。
使う際に区別すること
「できると思わせる」だけで、必要な技能や取り組む理由を代替できません。実行できても相手の判断や成果は別に確かめます。原論文を、当社の支援全体や、自己効力感だけによる成果の保証には使いません。
原典・研究資料
図は、このページで採用する着眼点を示しています。五つだけで組織行動科学®の全体系を定義するものではありません。
当社では、どう統合して活かすか
働く人の学びを、
仕事と支援の設計につなぐ。
本人が誰の何をよくしようとし、どの事実を見て判断したか。相手の反応から、方法とともに目的・見方・判断の基準も確かめ直します。各理論から得る問いを、本人が選び直す機会と、教える側・任せる側が変える支援に結びつけます。
仕事を任せる・引き受けるとき
本人の判断と、
周囲の支援を一緒に捉える。
目指すのは、相手が受け取ったものを使い、次の判断や行動へ進めること。
始める前に
目的と範囲を確かめる
誰が、何を決めたり進めたりするための仕事か。自分で決める範囲を確かめる。
条件を整える
目的・期限・使える情報・任せる範囲・相談する条件を、一緒に確かめる。
取り組みながら
判断して、試す
使える情報と経験をもとに、進め方を選ぶ。迷った判断と、相談した内容を残す。
反応から、支える
どの判断で迷ったかを聴き、見る事実や選ぶ基準を共有する。必要な支援を見直す。
相手が使った後に
結果から、学ぶ
相手がどう使い、何が進んだか。選んだ理由と照らし、見る事実・判断の基準・次に試す方法を確かめ直す。
任せ方を変える
自分が渡した情報や助言は役立ったか。自分の見立てと、次の仕事の支援を見直す。
経験から得た見方と判断の基準、私たちが用意する情報・役割・支援を、条件の違う次の仕事で確かめ直す。
| 理論・研究領域 | 焦点を当てる関係 | 仕事で確かめる問い | 方法・支援への置き換え |
|---|---|---|---|
| 行動科学(行動分析の視点) | 行動が起きた状況と、その後の結果 | 何を、いつ、どの条件で実行し、どんな応答が返ったか。 | 応答の内容・時機と、その後の行動を確かめる。 |
| 経験学習 | 経験から得る理解と、次の試行 | 何を見て選び、何が起きたか。次に何を確かめ直すか。 | 見方・判断の基準を振り返り、条件の違う仕事で試す機会を置く。 |
| 成人学習 | 本人の経験・課題と、学ぶ条件 | 既に知っていることと、使う仕事はどうつながるか。 | 実務と学ぶ内容を結び、試す時間・材料・支援を整える。 |
| 自己決定理論 | 取り組む理由と、心理的欲求を支える条件 | 目的を引き受け、力を発揮でき、周囲に支えられていると感じられるか。 | 理由・基準・選べる範囲を共有し、本人の受け止めも確かめる。 |
| 自己効力感 | 特定の行動を実行できるという見込み | どの行動ならできそうか。その見込みの根拠は何か。 | 実際にできた範囲と支援が必要な範囲から、次の課題を整える。 |
組み合わせるときに、保つ違い。
行動の変化と、本人の納得を分けて見る行動分析 × 自己決定理論
同じ助言でも、その後の行動にどう関係したかと、本人がどう受け止めたかは異なる問いです。実行が増えたという観察だけから、本人が納得したとは判断できません。
報酬の研究は、測った結果と条件を読み分ける
StajkovicとLuthans(2003)は職場の課題成績を、Deciら(1999)は主に関心を持てる課題について、報酬終了後の自発的な取り組みと興味を調べました。後者の128実験の分析では、予告した有形報酬で低下する傾向がある一方、肯定的なフィードバックでは高まる傾向がありました。対象・測定時点・結果が異なるため、同じ問いに対する相反する結論としては扱いません。
当社では、報酬を与える条件と本人の受け止めを見て、課題の遂行と自発的な取り組みをそれぞれ確かめます。応答の内容・時機、仕事の理由、選べる範囲を検討し、行動を支える条件と、自律的に引き受けられる関わりの両方を整えます。
経験から得た理解と、実行できる見込みを分ける経験学習 × 自己効力感
振り返って判断基準が見えてくることと、その行動を自分ができると見込むことは、別々に確かめます。できた経験から、何を学んだかと、どこまで実行できそうかの両方を見ます。
次の課題では、条件の違い、本人が担う範囲、必要な支援を具体化します。「できそう」という回答だけで済ませず、実際の判断と遂行に戻ります。
今までの経験を活かし、次の仕事で使い直す成人学習 × 経験学習
成人学習の観点で、本人の経験、仕事上の課題、学ぶ機会を確かめます。経験学習の観点では、一件の実践を振り返り、次の条件で試すことを取り出します。
学ぶ内容を身近な仕事に結びつけるだけでなく、実行の機会と、結果を知って見直せる支援まで設計します。
共通の研究基盤を、実践へ
問い、意味、判断の条件へ。
仕事を通じて考え方を育てるとき、何を問い直し、捉え直し、整えるか。組織行動科学®を共通の基盤に、必要に応じて三つの実践を組み合わせます。
アート思考
何を目的や問題と見ているかを問い、観察・想像・試作から、別の可能性をひらきます。
背景・研究・実践を読む →ロジカルセンスメイキング®
経験・記録・当事者の話を照らし、何が起き、それが仕事に何を意味するかを捉え直します。
仕事での使い方を読む →判断デザイン®
事実を確かめ、比較して選び、結果を次へ残せるよう、情報・時間・権限・支援を整えます。
判断を支える実践を読む →当社の体系における関係です。学術上の上下関係や、必ず順に使う三段階を示すものではありません。
研究と実践を、どう確かめるか
根拠の種類を分け、
仕事の事実へ戻る。
外部研究を参照すること、自社で変化を観察すること、そこから方法を提案すること。それぞれで、確かめられる範囲が異なります。
- 外部研究
- 理論の説明、実験・観察研究、メタ分析を区別し、対象・方法・適用条件を読む。
- 自社の実践・観察
- 誰が何を行い、相手がどう応じ、どんな条件で仕事が変化したかを残す。
- 当社の方法・提案
- 研究知見と観察を照らし、次に試す方法と必要な支援を具体化する。
- 次に確かめること
- 他の説明、別の条件での再実行、継続した変化、関係者への影響を追う。
企業研修、実務支援、行動観察、振り返り、対話記録などを通じて蓄積した規模です。個々の方法を同じ条件で全員に実施し、効果を測定した対象数とは区別します。
一件の仕事で、何を記録し、何と照らすか
- 仕事と条件
- 対象の仕事、目指す状態、役割、本人の経験、使える情報・時間・権限・支援。
- 実際の行動
- 何を見て選び、何を伝え、どの範囲まで実行したか。支援する側が変えたこと。
- 応答と経過
- 相手の返答、追加確認、手戻り、判断待ち、実行結果。本人の説明と実際の遂行。
- 次の実行
- 次の仕事で使い直せたか。条件や相手が変わったとき、どの支援が必要だったか。
本人・相手・仕事の流れ・成果を照らし、見えた変化とその理由の解釈を分けます。比較条件、観察期間、同時に変わった要因に応じて、言える範囲を定めます。記録項目や比較方法は、各取り組みに応じて定めます。
Organizational-Andragogy®と、五つの理論・研究領域の位置づけ
当社は、行動の起点、動機や報酬、人との関係、認知や思考、習慣の形成など、複数の観点から仕事を研究しています。ここで詳しく扱う五つは、それらを捉えるために参照する理論・研究の一部であり、領域と一対一に対応させるものではありません。
当社が組織行動科学®をOrganizational-Andragogy®と定義する中心には、「組織で働く成人の研究と教育開発」があります。本人の経験や学ぶ目的を捉え、仕事を通じて目的・見方・判断を育てることを中核に置きます。そのために、本人が選ぶ機会、結果を知る機会、次に試せる仕事と支援を設計します。ここで扱う成人学習の考え方を含め、複数の理論・学術研究を、この研究と実践のために参照します。
当社の事業定義と、研究・教育開発の考え方 ↗公開実践記録|相手の応答から、伝え方を見直した一件
業務の問い合わせで、相手から電話での確認を提案された一件です。人間とAIで送信文を見直し、対応とその後の応答を記録しています。
当初の見立て
AIは電話を避けてメールで進める方法を考えていました。人間が「なぜ相手は電話を提案したのか」と問い、送信文へ戻りました。
確かめ直したこと
対象や状況の説明が足りず、質問が混在していました。相手が何を理解し、何を確かめようとしているかを見直しました。
変えた対応
対象・現状・したいこと・避けたいことを整理し、謝意と説明を補って、相手へ渡す情報を変えました。
確認できた応答
用語の意味を確認するために電話を提案したという説明と、複数の具体的な回答が届きました。
確認の範囲:一部の手順、技術的な解決、作業の完了までは、この記録では確認できません。個別の理論や理論の組み合わせの効果を比較検証した記録ではありません。
7人の研修後記述から、経験の理解と次の支援を考える。本人の説明を扱う分析であり、学習過程の追跡や研修効果の検証とは分けて読めます。
関連研究との接点
仕事・関係・習慣へ、
見る範囲を広げる。
五つの理論・研究領域に加え、仕事の設計や周囲との関係、継続する行動に関わる研究も参照します。どの対象・方法で示された知見かを確認できます。
仕事の設計権限に加え、役割・情報・人とのつながり・負荷を見る。
ParkerとKnightは、仕事の特徴を、刺激や多様性、役割の明確さやフィードバック、自律性、人とのつながり、過度にならない負荷という五つのまとまりで整理し、三つの調査で尺度と構造を検証しています。
仕事を任せるとき、選べる範囲とともに、何を求められ、結果をどう知り、どこへ相談できるかを確かめます。
使うときに確かめる条件
仕事の特徴を捉える枠組みの検証です。一つの特徴を変える介入の効果を、あらゆる仕事へ一律に示したものではありません。
心理的安全性質問や懸念が出た後、周囲がどう応じたかを見る。
EdmondsonとBransbyのレビューは、心理的安全性に関する研究の蓄積と、学習や仕事への関わりを整理しています。
質問や懸念が出たときに、私たちがどう応じ、その内容が次の仕事にどう使われたかを見直します。
使うときに確かめる条件
質問しやすいという受け止め、実際の発言、その後の仕事での変化は、それぞれ確かめる必要があります。
習慣形成確かめる行動を続け、結論は条件に応じて選ぶ。
Lallyらは、同じ状況で繰り返す日常行動と、自動的に行う程度の変化を追っています。習慣化の進み方には大きな個人差がありました。
「相手が使う場面を確かめる」という行動は続け、その場面に何を提案するかは、条件に応じて選びます。
使うときに確かめる条件
対象は食事、飲み物、身体活動に関する行動です。複雑な仕事の判断が一定の日数で身につくことを示した研究ではありません。
試した後に、確かめ直す
本人・相手・仕事の流れ・成果。
- 本人
- 何を見て、どう選び、どこまで実行できたか。
- 相手
- どう受け取り、次に何ができるようになったか。
- 仕事の流れ
- どこで進み、どこで止まり、何を引き継げたか。
- 成果
- 目的に近づいたか。まだ確かめていないことは何か。
2026年10月31日公開 · 研究・教育開発の体系を公開したお知らせ(PR TIMES No.355)




